-
新開のり子鉛筆画集『フィロソファー・オブ・ザ・ワールド』(POCKET ROADSIDERS)
¥1,650
「勤め先で受けてるイジメや人間関係のゴタゴタを絵にしたら少しは気晴らしになるかと」思いついて、「すいません、すいません」が口ぐせの彼女は、きょうも勤めから帰ると自室の机に向かって鉛筆を削り、画用紙に向かう。描き込まれた鉛筆の線のあいだから滲み出る、なんともいえない対象への愛情や慈しみの感覚。丹念な部分と適当に描いた部分のすさまじい落差。楽天的で、ときに脳天気とすら言いたくなる画風の底に淀む微かな不穏の兆し——地元の公会堂で週末に演奏するたび暴動が起きたという伝説を持つ、あのシャグズの「フィロソフィー・オブ・ザ・ワールド」が画用紙に仕込まれたスピーカーで鳴っているような。 鉛筆画一本 僕のこころに 青い空を かくときも 真っ赤な夕焼 かくときも 黒い頭のとんがった 鉛筆が一本だけ 1969年に坂本九はそう歌った(作詞・浜口庫之助)。新開のり子の初画集「フィロソファー・オブ・ザ・ワールド」。これは鉛筆という松明を頼りにこころの奥の暗い場所に潜っていく、彼女のダーク・ツーリズムの記録である。 都築響一
MORE -
シブヤメグミ『懺悔の値打ちもない』(POCKET ROADSIDERS)
¥1,650
新宿の片隅で秘密めいたバーを経営するシブヤメグミは「嵐を呼ぶ女」だ。ホストにホームレス、ミュージシャン、弁当屋のおやじにAV映画監督・・・・・・「このひとはいったいどうやってこんなに突拍子もない人間たちと出会って、いきなり親しくなってしまうんだろう」という積年の疑問が嵩じて、メールマガジンで「シブメグの人生小劇場」という連載をしてもらっているが、どんなすごいひとよりもすごい体験を、自分がずっと抱えたまま生きていることを最近知った。 実の母親が巻き込まれしゃぶり尽くされ食いちぎられた、どうしようもなく圧倒的に獣のような男の欲望人生を、餌食となった女たちがいま語り出す。読んでつまらないから三文小説と言うけれど、どんなに想像力が枯渇した小説家でも躊躇するような展開が現実に起こってしまうと、その圧倒的なリアリティに僕らは立ちすくむしかないのだった。 都築響一
MORE -
小指『宇宙人の部屋』 (POCKET ROADSIDERS)
¥1,650
SOLD OUT
わたしが恋したひと、一緒に起きて寝て人生を共にしてきた男はふたりの宇宙人だった。空の上にある無限の暗闇ではなくて、酒瓶の底にある淀んだ宇宙の住人だった。素面だと道端の老犬のように静かに優しいのに、一滴のアルコールで彼らは制御不能な獣に変身した。そして20代のほとんどを獣の世話に明け暮れたわたしも、酒に依存する人間に依存しながら、状況を好転させるどころか彼らの人生をよけい悪化させているだけなことに、ある日気づいてしまった。 アーティスト“小指”がいま初めて綴る、傷だらけの日々の記録。生きることに不器用な、3つの魂がひとかたまりになって坂を転げ落ちていく先に底はあるだろうか。明るい陽の差す出口は見えるだろうか。
MORE -
天野裕氏 写真集 『わたしたちがいたところ』 ※デジタル限定
¥110,000
PDFフォーマット / 463ページ / 712MB / 追加更新あり 『わたしたちがいたところ』は天野裕氏にとって13冊目の作品集であり、これまで「一冊1部で一対一の対面鑑賞」というユニークなスタイルにこだわってきた彼の、公刊される初めての写真集でもあります。 本書は500枚の写真をPDFフォーマットにまとめた電子書籍として刊行されます。デジカメやスマホで撮影し、コンビニのコピー機でプリントしてきた天野裕氏には高価な印刷物としての作品集である必然性はないし、むしろ選ばれた500カット、500の瞬間をひとつも落とさず、ひとつひとつを同価値・同サイズで読者に提供することのほうが、はるかに大切だと考えました。 書類や資料のやりとりでおなじみのPDFというフォーマットなので、KindleやiBookなど、IT企業によって提供される(そしてユーザーを囲い込むための)どんなアプリも必要ありません。パソコン、タブレット、スマホ、どのようなデバイスであっても、ファイルをクリックすればそのまま瞬時に500ページの写真集が立ち上がります。ディテールに目が留まったら、拡大して写真の内部に入り込んでいくことも可能です。なので大判豪華本から文庫本まで、サイズによってクオリティが左右される印刷本とちがい、パソコンの大型モニターでも小さなスマホのディスプレーでも同じクオリティの視覚体験が得られます。 そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。 旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。 2023年6月20日 編集部より 天野裕氏 yuji amano https://twitter.com/mariachocolat/ https://www.instagram.com/yuji_amano_mariachocolat/ https://marialuz.exblog.jp/ https://mariachocolat.tumblr.com/ https://mariachocolat-tokyo.stores.jp/
MORE -
都築響一の有料メルマガ『ROADSIDERS' weekly』(月4回配信)※全バックナンバー閲覧可
¥1,100
雑誌にドキドキしなくなってから、もうずいぶんたちます。発売日をちゃんと覚えていて、その日は本屋に寄るのが朝から楽しみだった、なんて雑誌が前は何冊もあったのに。 20歳になったころに、創刊されて間もないPOPEYE編集部で働き出したのが1976年のこと。それから35年間たったいまも、僕にとっていちばんいとおしいメディアが雑誌であることにかわりはありませんが、この数年間、「これを書きたい、これを見せたい!」という気持ちを受けとめてくれる雑誌が、どんどんなくなってきました。ちょっと、恐ろしいほど急激に。たぶん、同じ思いを抱えているジャーナリストが、たくさんいるはずです。 長引く不景気とか、出版社の広告依存体質とか、編集者の勇気や覇気の欠如とか、いろんなことのせいにするのは簡単ですが、でも、なくなっちゃったものに文句言っててもしょうがない。だれもやってくれないなら、自分でやるしかない! というわけで、2012年1月からメールマガジンという形式で、個人雑誌を発行します。もちろん、ほんとは印刷した雑誌にしたいけれど、それは不可能なので、メルマガにさせてもらいました。でも、このほうが書籍よりもはるかにスピーディに、たくさんの写真や長い文章をお送りできます。日本の、世界のどこにいても受け取ってもらえます。 名づけて『ROADSIDERS' weekly』。毎週水曜日に、月に4回お届けします(第5週目はお休み)。2009年5月から毎週水曜日にブログ『roadside diaries』を書いてきましたが、これは僕にとってメルマガ発刊のためのトレーニングでもあり、ウォーミングアップでもありました。 ロードサイダーズは毎月1000円の購読料をいただく有料メールマガジンです。1冊あたり250円。そのお金で取材に行き、書き下ろし、撮り下ろしの記事を制作して読んでいただきます。毎回、新しい記事が1、2本。それにいままで単行本に未収録だった、さまざまな記事もアーカイヴとして併せてお届け。なので毎週、かなりのボリュームになるはずです。これまではブログ形式だったので、スマートフォンではない、ふつうの携帯電話でもお読みいただけましたが、今回は長い文章とたくさんの画像を含んだ内容(HTMLメール)になるため、ふつうの携帯では画像がはじかれてしまいます。できればパソコンかスマートフォン、iPadのようなデバイスでお読みください。 読んでほしいレポートやインタビュー、見てほしい写真、知ってほしい場所やモノや、ひとびと。どの雑誌にも載せることができなかったストーリーを、購読料を取材費にして実現させてくれるみなさんは、僕にとってカスタマーというよりサポーターです。どこまで走っていけるかわかりませんが、かけがえのない伴走者であり、尻を叩いて背中を押してくれる鬼コーチであり、周回遅れの孤独なランナーに届く声援です。 ひとりでも多くのみなさんと、 ロードサイダーズ誌上でお会いできますよう。 都築響一
MORE -
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙 【電子書籍/ダウンロード版】――ROADSIDE LIBRARY vol.006
¥2,200
山口‘Gucci’佳宏+都築響一 編 PDFフォーマット 全2759ページ(3.65GB) ※ダウンロード版は、サンプル音源なし メルマガでもおなじみの「日本でいちばん展覧会を見る男」であり、稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。 グッチさんは「いまもまだ集めてる」そうですが、とりあえず2019年6月までに収集されたアルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです! [内容] 序文(都築響一) 解説(山口‘Gucci’佳宏) 1. アート系 2. ポーズ 3. エロ顔 4. ザ・ヌード 5. ムーディー 6. ビューティー 7. モード 8. 水着 9. 薄幸 10. 和 11. 美女と楽器 12. カクテル 13. 夜 14. クリスマス 15. イラストレーション 16. 竹久夢二 17. ヘンテコ 18. シンメトリー 19. 表裏使い廻し 20. シリーズもの 21. ボックス・セット 22. ジャケ帯 インタビュー(山口‘Gucci’佳宏) 収録音源について 「お色気レコジャケ」なんて初耳、というかたもいらっしゃると思うので、とりあえず僕が書いた序文をお読みください。 雑誌の巻頭や書店の写真集コーナーを彩るセクシー・グラビアを眺めながら、ふと思う。どうして自分はこういうグラビアアイドルに惹かれないのだろう。 それはたぶん、「幸薄く見えない」からだ。見事な身体に、見事な顔。極小水着を食い込ませようが、縄で縛られようが、彼女たちはすべてのカットで自信にあふれ、鼻息荒くページをめくる男性読者を上から見下ろす。その行く手に、とりあえずこれから数年は立ちふさがるなにものもない(ように見える)グラビアアイドルたちに、不幸な陰はひとかけらもない。それが僕を萎えさせる。 1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。 よく知られた歌謡曲やスタンダード・ナンバーのインストルメンタル・バージョンをただただ並べ、ときとして曲と曲のあいだにセクシーなお姉さんの語り(ナレーション)を入れてアルバム全編をつないでいく、なんともユニークな形態のアルバムを、音楽ファンのどれほどが知るだろう。 いま「インストバンド」というと、「あらかじめ失われた恋人たち」のようなダブだったり、テクノやジャズだったり、意図的にボーカルを排したアーティスティックな音楽を指すわけだが、1960年代から70年代初期にかけては、そういうオリジナリティを追求する音楽とはまたちがうインスト・レコードが無数に作られていた。一時は日本中のレコード店に流通し、なかにはかなりの枚数を売り上げたアルバムもあったけれど、70年代後半ごろから急激に廃れていって、いまではまったく見かけなくなってしまった。 「夜のムードを高める」目的と書いたが、実はインスト・レコードが実際、昭和40年代の日本でどのように使用されたのかはよくわかっていない。インスト・レコードが出回っていた当時、僕は子供すぎたし、制作に携わっていた人々はすでにレコード会社にほとんど残っていない。真摯な音楽ファン向けではなかったろうから、それについて書かれた文献もない。音楽雑誌にすら取り上げられなかった、昭和の夜のBGM・・・・・・。 ジャケットの雰囲気や内容からして、「夜用」を主に意図されたのだろうが、いざというときになって、こんなヌード写真のアルバムを取り出してきたら、女は燃えるよりも萎えるのではないかという気もする。とはいえ曲自体はあくまでインストルメンタルであって、「官能小説朗読」とかではないので、オナニー用途にも向かなかったろう。 「意味不明」のレコード群は、そのつくりもまた、いい意味でも悪い意味でもユニークだった。まず、タイトルがてきとう。「ピンク」と「ムード」と「夜」と「誘惑」と「サックス」を組み合わせれば一丁上がり、みたいな。 そしてデザインがてきとう。曲の内容とまったく関連のない、単なる外人女性ヌード写真が全面にフィーチャーされ、なのに曲は純邦楽という、ねじれきったケースが大多数を占める。 そのヌード写真、お色気写真も表ジャケットと裏ジャケットで、同じ写真を反転して使用したり、それすらも面倒くさかったのか、そのまま2回使っているケースまである。現在ではとうてい考えられない、デザイナー絶句の荒業だ。 そしてまたタイトルの書きかたで、全編インストであるにもかかわらず、一見オリジナルの歌曲コレクションであるように錯覚させるジャケがある。よ~く見ると演奏者が表記されているが、中にはダブルジャケットの内側にしか表記がないものもあり、そうなると買ってみるまでわからない・・・・・・騙しですね、ほとんど。 そういう適当さがどくどく滲み出るお色気インスト・レコードだが、多くの場合、演奏者は一流、超一流のプロ・ミュージシャンが担当していた。ただ、こうした楽曲はレコード会社の買い切りが普通だったため、ひとつの演奏が何度も手を変え品を変え、というかバンド名を適当に変えたりして、くりかえし使用されているのも特徴だ。ミュージシャン本人も知らないままのレコードも、けっこうあるかもしれない。 しかも、そのようにインストの演奏であるにもかかわらず、ジャケットには全曲の歌詞が印刷されていることが珍しくない。これは「聴いてるうちに歌いたくなった人用」だろうか、カラオケ以前の時代のカラオケ代わりだったのだろうか。 知れば知るほど、謎が深まるばかりである。 こんなふうにてきとうにつくられ、てきとうに消費されて、だれも気にしないうちに消えていったのが、昭和40年代の日本に現れ消えたセクシーな徒花・お色気インスト・レコードだ。そうして、レア・グルーヴとして高値がつくこともなく、和物DJ諸君ですら見向きもしない、中古レコ屋のエサ箱でホコリをかぶったままの不良在庫を、ひたすら集め続けた男がいた。 レコード・コレクターの山口‘Gucci’佳宏氏による約850枚の日本人演奏もの「お色気ジャケ・インスト・レコード」コレクションを紹介する、これは本邦初の(そしてたぶん最後の)決定版電子書籍である。 いまから40年前、50年前だから、モデルの質だってグラビアアイドルとは比較にならない。現在なら全員「熟女枠」に入れられてしまいそうな、くたびれた身体が堂々と30センチ角のLPジャケットに収まっている。その写真とても、ほとんどはアルバムのために撮影されたのではなく、通信社あたりのストックからてきとうにえらんだものだったろう。 無邪気に微笑んだり、思わせぶりにからだを投げ出す彼女たちは、自分のセクシーな写真がはるか極東の島国で、『ウナ・セラ・ディ東京』や『人形の家』や『黒ネコのタンゴ』と一緒になっていることを知るよしもない。 てきとうな選曲と、てきとうなデザインと、てきとうな写真。そんなふうに消費されるけなげな熟女モデルの表情から、身体から、そしてジャケットから滲み出る「陰」の深みに、きみの官能はどうかきたてられるだろうか。 繰り返しになるが、これらのレコードはいまから40年前、50年前につくられたものである。そして、ここまでくればもうおわかりのように、この時代のほうが実は、現在よりずっと、レコジャケ・デザインは自由だった。 半世紀前とは比較にならないほどポピュラー・ミュージックの地位が向上し、比較にならない量の新譜が量産され、プロフェッショナルなグラフィック・デザイナーがジャケットを手がけ、大手レコード会社に頼らないインディーズも増えて、そうしていま、ヌード写真を使用したジャケットを見かけることはまずない。別にヌードだからいいというわけではないけれど、「オトナのお色気」を醸し出すジャケットすら、ほとんどない。 ほかの印刷物と同じように、レコードやCDでも過剰な性表現は取り締まりの対象になるが、音楽業界が特別厳しい規制のもとにある、なんてことはない。「放送禁止歌」と一緒で、すべて制作側の自主規制によるものだ。大手のレコード会社だけでなく、インディーズですら。 いま、音楽業界は「子供の音楽」によって生き延びている。エクザイルからAKBからビジュアル系まで。「何年も映画館に行ってない」ように、「何年もCD買ってない」オトナが、どれほどたくさんいることか。 オトナが買うからこそ、オトナの色気をアピールするジャケットがあったのだろうが、いまやオトナが買いたくなる音楽自体が減ってしまった。いや、あるのだけれど、メディアに乗らなくなってしまった。音楽業界では昔の音源の「リイッシュー」がブームで、それはたしかにオトナ向けだけど、何万円もするボックスセットを予約購入するような、マニアックなオトナ向けの商品でしかない。 かつてのように音楽が、そして音楽自体だけでなくレコード・ジャケットというものが、日々の生活空間のなかで存在感に輝く時代は、もう二度と来ないのだろう。あらゆるレコード・コレクション道のうちでも、最底辺の一角を占めるにちがいない「お色気インスト・レコード」という徒花。それは秘宝館やラブホテルやピンク映画ポスターと同じように、失ったことすら気がつかないままに僕らが失ってしまった、たからものでもある。「てきとうさ」という、オトナのフィロソフィでもある。 見ているだけで昭和のお色気にむせてしまうような2500枚以上の写真に加えて、 ・山口‘Gucci’佳宏氏による詳細な解説 ・当時日本コロムビアに所属し、演奏を担当したサックス奏者・稲垣次郎氏のインタビュー ・CDでは聴けない珠玉のサンプル音源5曲! 1. ナイチンゲール 「ECSTASY 恍惚/エクスタシー 川原正美とエキゾティック・サウンド 」より 2. ヘイ・ジュード 「ロックとラテンの激突 見砂直照と東京キューバン・ボーイズ & 稲垣次郎とソウル・メディア」より 3. 学園天国 「歌謡ヒット速報 稲垣次郎 ゴールデン・ポップ」より 4. ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー 「真夜中のレキント・ギター ベッドで煙草を吸わないで 木村好夫とザ・ビイアーズ」より 5. あなたが帰った鏡の前で 「愛しすぎて男を天国に行かせた女のお話」より 30センチ角のLPジャケットはスキャナーからはみ出してしまうので、1枚1枚、永遠に続くかと思われた複写作業を経てのデジタル・コレクション化。これ以上のアーカイブは、今後もありえないと断言できます(まあやろうというひともいないだろうが)! ほんの40~50年前に日本の音楽業界はこんなものを大量生産していて、いまはすっかりなかったことになってる!という、秘宝館やオールドスタイル・ラブホテルやキャバレーの踊り子たちとまったく同じ「忘れられた宝物」を、ぜひご覧ください。 ■全画像の中から特選ジャケット、600枚ほど選んで高速スライドショーにしてみました。1カット1秒で8分弱あります!(笑)年齢制限あり! https://www.dropbox.com/s/qceor9ii4eg4f0z/20190710_bedside-music.mp4?dl=0
MORE -
都築響一 presents 渋谷残酷劇場 【電子書籍/ダウンロード版】 ――ROADSIDE LIBRARY vol.005
¥1,650
都築響一 著 PDFフォーマット 全289ページ(833MB)+動画3本(1.65GB) 都築響一 presents 渋谷残酷劇場 Kyoichi Tsuzuki presents "Shibuya Hell Garden" ATSUKOBAROUH Night Gallery 2018.04.14 Sat - 05.13 Sun 地獄に行きたい人間は、あまりいない。 なるべくイヤなこと、体験したくないことを何百年、何千年にわたって、何億人もが考え抜いた、究極のネガティブ・イメージ。それが地獄というものであるはずだ。 それなのに世の中には、死んでからしか行けないはずの地獄を、いますぐ味見してもらおうと、手間ヒマかけて再現してしまうひとたちがいる。 プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。ちからを合わせて造りあげた苦しみのヴィジョン。現世の片隅にひっそり毒花を咲かせる、そんな地獄のランドスケープに魅せられて、長いこと撮影行を続けてきた。これをアートと呼べるのかどうか、僕にはわからない。けれど世の中に「アート」という名前で流通している商品よりも、はるかにリアルな思いのカタマリがここにある。 [内容説明] 01. ハニベ巌窟院(石川県) 02. 伊豆極楽苑(静岡県) 03. 祖谷渓お山公園(徳島県) 04. 正観寺(徳島県) 05. 仙台武家屋敷人間教育館(宮城県) 06. 人間ポンプ安田里美 07. 見世物小屋絵看板 08. 彰化八卦山(彰化・台湾) 09. 麻豆代天府(麻豆・台湾) 10. タイの地獄庭園 11. ベジタリアン・フェスティバル 12. スイティエンパーク(ホーチミン・ベトナム) 13. セドレツ納骨堂(クトナホラ・チェコ) 14. カタコンベ(パレルモ・イタリア) 15. ロンドン・ダンジョン(ロンドン・イギリス) 16. ヨーク・ダンジョン(ヨーク・イギリス) 17. ブレイディング・ワックスワークス(ワイト島・イギリス) 18. ザ・ハンタリアン(グラスゴー・イギリス) 19. バルセロナ・ロウ人形館(バルセロナ・スペイン) 20. スピッツナー博士コレクション(パリ・フランス) 21. ミュゼ・フラゴナール(パリ・フランス) 22. ラ・スペーコラ(フィレンツェ・イタリア) 23. フィレンツェ大学病理学研究室(フィレンツェ・イタリア) 24. ナレントゥルム(ウィーン・オーストリア) 25. ヨゼフィーヌム(ウィーン・オーストリア) 26. 中世法制史博物館(ウィーン・オーストリア) 27. アレックス・ショウ(サンクトペテルブルク・ロシア) 28. クンストカメラ(サンクトペテルブルク・ロシア) 29. ペトロパヴロフスク要塞(サンクトペテルブルク・ロシア) ■動画1『日本編』 伊豆極楽苑、ハニベ巌窟院、人間教育館(from ROADSIDE JAPAN, BQ 2004~5 ディレクター:十川利春) 最後の見世物芸人・安田里美(鼻でハモニカ、金魚、眼力、碁石、火吹き @1990年2月21日 京都・アートスペース無門館) ■動画2『台湾編』 彰化八卦山、麻豆代天府 ■動画3『タイ編』 ワット・パーラックローイ、ナコーンラチャシマー
MORE -
TOKYO STYLE 【電子書籍/ダウンロード版】――ROADSIDE LIBRARY vol.004
¥2,200
都築響一 著 PDFフォーマット 全812ページ(585MB) 『TOKYO STYLE』が最初の大判写真集として世に出たのが1993年。実際に撮影で東京都内を原チャリで走り回っていたのが1991年あたりだったから、今年はあれからちょうど25年、四半世紀。世界があれからますます不景気になり、不安定になって、貧富の格差が開いていることだけは確かだ。日本は前よりずいぶん暮らしにくくなったろうし、大災害にも襲われた。同時に多くのひとが前よりずいぶん消費欲にも、所有欲にも、勝ち組を目指そうという野心にも惑わされなくなってきた気がする。 オリジナルの大判写真集はもう古書店でしか手に入らないけれど(それも美本はまず見かけない)、文庫版はいまも絶版になることなく、ちくま文庫で販売中だ。それなのに電子書籍版を出させてもらったのは、ロードサイド・ライブラリーで試してきたPDFによる高解像度画像集というフォーマットに、僕の仕事では『TOKYO STYLE』ほどうまく適合するコンテンツはないと思ったから。ライブラリーを始めるときから、いつかはこれをやってみたいと考えていた、念願の一冊である。 これまでダウンロード版やUSB版で購入してくれたひとはおわかりかと思うし、この記事でもある程度は体験できるように、電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。もちろん電書版でページ数に制限はないから、書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい。なので前の3冊と同じく、812ページ、高圧縮技術を使用してなお600メガバイトに近いメガボリュームのデジタルリミックス版になっている。 ■高速全ページ・プレビュー! https://www.dropbox.com/s/te4e1vmnuzwz6t0/TABF1.mov?dl=0 https://www.dropbox.com/s/05yc7fpiqws5dlt/TABF2.mov?dl=0
MORE -
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち【電子書籍/ダウンロード版】――ROADSIDE LIBRARY vol.003
¥2,200
都築響一・編 協力:古家しょう子、寺井到(RKB毎日放送) PDFフォーマット 全1409ページ(2.0GB)+動画3本(300MB) 『秘宝館』『LOVE HOTEL』に続く電子書籍シリーズ「ROADSIDE LIBRARY」第3弾が、ついにリリース。題して『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』。そう、2017年2月8日号で特集、予想をはるかに上回る反響を呼んだ北九州市若松のグランドキャバレー・ベラミの歴史と、そのステージを飾った踊り子や芸人たちの写真コレクションである。記事でも200点近い宣伝用写真(ブロマイド)をお見せしたが、今回は発掘されたプリントすべて、数にして約1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載、前の2冊を超えて2ギガバイト!というメガ・ボリュームのダウンロード版およびUSB版デジタル写真集としてお届け! (かつては従業員寮だった)ベラミ山荘をFさんが買ったとき、家の中にはさまざまな生活用品から、かつての住人たちの個人的な手紙類まで、膨大な量の物品がそのまま残されていた。キャバレーの備品もたくさんあって、半分途方に暮れながら整理していたところ、写真アルバムや店のマッチといった備品に混じって段ボール箱があって、開けてみたら写真プリントがぎっしり詰め込まれていた。 それはキャバレーのステージを飾った歌手や踊り子、芸人たちの宣伝用写真(ブロマイド)だった。 ほとんどがモノクロームのその写真には、精一杯の笑みやお得意のポーズを決めた、タキシードから半裸まで衣装もさまざまな女たちや男たちがいた。安っぽいプリントから生バンドの音楽や、ホステスの香水や、カクテルやタバコの匂いがムワッと立ち上ってくるようだった。いまから50年も前のことなのに。 段ボールから出てきた写真は、数えてみると約1400枚にのぼった。その1枚ずつをスキャンし、裏に書かれた名前を写していく。それは1960年代の夜へと続くタイムトンネルだった。 写真に写っているのは9割方が女たちで、それは時にドレスや着物をまとっていても、ごく少数の歌手や漫才をのぞけば、演じるのが「ヌードダンス」だからである。なかには名前とともに「ピンクヌード」「外人ヌード」「日劇スター」といった特長(?)や、「キャンドルヌード」「夜光ラクガキショー」「金粉ショー」「トップレスシンガー」「コミカルポルノ」「スネークベッドショー」などなど、印象的なキャッチフレーズを冠したダンサーもいて、いったいどんなワザが舞台で繰り広げられていたのか、気になってしかたがない。 なのに彼女や彼たちのことは、数人の歌手以外には、ネットで検索したくらいではひとりもヒットしない。こんなにも無名の踊り子たちがいて、日本各地にあった無数のキャバレーで、音楽と男の視線と酒とタバコの匂いに夜ごと肌をさらし、スポットライトを浴びていたのかと思うと、そしてその記録がまったく残されないままキャバレーとともに消えていったのと思うと、胸が締めつけられるようでもある。ほんのわずかな年月のうちに、僕らはどれほどの記憶を失ってしまったのだろうか。 (序文より) ■高速全ページプレビュー! https://dropbox.com/s/uxgwztn4crepxpb/%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%BA.mp4?dl=0
MORE -
LOVE HOTEL【電子書籍/ダウンロード版】――ROADSIDE LIBRARY vol.002
¥2,200
都築響一 著 PDFフォーマット 全483ページ 1GB インテリア・デザインにおけるエロの極北、ラブホテル。セックスのためのホテルという空間は、なにも日本だけでなく世界各地に存在する。しかし円形の回転ベッドだとか、「パートナーがお風呂に入っているのを寝ながら見るための透明バスタブ」だとか、「いろんな使い方ができるブランコ」だとか、短時間の性行為のための場所という本来の目的から大きく逸脱した、ユニークとしか表現しようのない独自の空間へと変異している例は、世界広しといえども日本にしか存在しない。そしてもちろん我々は、要求される機能を完璧に満たすのがクラフトであり、要求を超えた無用無意味の領域に踏み込んでいくのがアートだという基本原理を、忘れてはならない。 新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。 円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある! ラブホテルを撮影した写真集はもともと Street Design File vol.17 の『Satellite of LOVE ラブホテル・消えゆく愛の空間学』 として、アスペクト社より2001年に刊行されました。そのあと2008年に少し小さな判型になって再版されましたが、それも長く版元品切れのまま・・・。なので今回、vol.1『秘宝館』と同じく、書籍版では掲載できなかったカットを大幅に増やし、しかもすべてのフィルムをスキャンし直した、デジタル・リマスター・バージョンです。 全73室でちょうど1ギガバイト! 『秘宝館』よりはやや少なめですが、それでも通常の電子書籍の数百倍! もちろんこちらもPDFで特別なアプリ不要、コピープロテクトもかけていません。どうかお好きなように、お好きなデバイスでご覧ください。 巻末に掲載していますが、いまから15年以上前の取材時のまま、インテリアが生き延びているラブホテルは、わずかに3~4軒。すでに閉店してしまったホテルも少なくありません。もはやこの電子書籍でしか味わえない珠玉のエロティック空間デザイン、483ページのボリュームでたっぷりお楽しみください。 そしてさらに! 今回は特別付録として、以前このメルマガでも紹介した「タイのラブホテル」も掲載。チェンライ、チェンマイ、バンコクの3都市から、日本式ラブホ・スタイルの南国式展開もご覧いただけます。こちらも他のメディアではなかなか見ることのできない、レア・アイテム。豪華スパリゾートなんかより、はるかに楽しそうです! (2016年10月05日) ■高速全ページ・プレビュー! https://www.dropbox.com/s/0eo800de32uudr5/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.mp4?dl=0
MORE -
秘宝館【電子書籍/ダウンロード版】――ROADSIDE LIBRARY vol.001
¥2,200
都築響一 著 PDFフォーマット 全777ページ 1.8GB 目次: イントロダクション『秘宝館の記憶』 北海道秘宝館 野生の王国・東北サファリパーク HIHOKAN 夢 伊香保 命と性ミュージアム 女神館 鬼怒川秘宝殿 熱海秘宝館 元祖国際秘宝館 元祖国際秘宝館鳥羽館・SF未来館 お山公園 別府秘宝館 嬉野武雄観光秘宝館 ROADSIDE LIBRARY 発刊にあたって 1993年頃から去年あたりまで、もう20年間以上も秘宝館の取材を続けてきて、これまでに撮影した秘宝館は北海道から九州嬉野まで11館になります。そのうち、いまも残っているのは熱海秘宝館と、伊香保女神館の2館にすぎません。 書籍としての写真集では、当然のことながら膨大なカットのうち、ほんの一部しか掲載できませんでしたが、今回は電子版ということで、これまで断腸の思いで落としていたカットも一挙収録。『秘宝館』は全777ページという、印刷ではとても望めないボリュームのデジタル写真集になりました。もちろんオールカラー。しかも! そのすべてのカットがかなりの拡大に耐えられるような、通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータなので、気になるディテールがあればクローズアップしてご覧いただけます。 秘宝館の取材に通ったのは1990年代が多く、つまりその多くはフィルムでの撮影でした。なので今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した、音楽でいえば「オリジナル音源からのリマスター」。すでにある書籍をデジタル・フォーマットに流し込む、通常の電子書籍とはまったく異なるプロセスで制作されています。 僕自身の単行本でも、最近は『ヒップホップの詩人たち』から『圏外編集者』まで、出版社ごとに電子書籍版が販売されるようになってきましたが、そのすべてはテキスト中心の書籍でした。ロードサイド・ライブラリーはあくまでも画像中心で、それも現在の電子書籍の常識をはるかに超える高解像度。なので必然的に一冊のデータサイズも巨大になっています。 いま、僕らが読んでいるふつうの電子書籍は、小説だと1.5MBかそこら、長い漫画でも100~200MBほどです。今回の『秘宝館』は777ページで約1.8GB! メガじゃなくてギガ! つまりふつうの電子書籍の百~千倍くらいのボリューム! (2016年07月13日) ■サンプルPDF http://www.roadsiders.com/_mailmagazine_data/20160713_UMNAcnuUUPkcE/RL001_hihokan_sample.pdf ■『秘宝館』全ページ、超高速プレビュー! https://www.dropbox.com/s/g2zvv1dqh3ccqsb/%E7%A7%98%E5%AE%9D%E9%A4%A8%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.mov?dl=0
MORE -
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙 【電子書籍/USBメモリ版】――ROADSIDE LIBRARY vol.006
¥3,850
山口‘Gucci’佳宏+都築響一 編 PDFフォーマット 全2759ページ(3.65GB) サンプル音源5曲付き メルマガでもおなじみの「日本でいちばん展覧会を見る男」であり、稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。 グッチさんは「いまもまだ集めてる」そうですが、とりあえず2019年6月までに収集されたアルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです! [内容] 序文(都築響一) 解説(山口‘Gucci’佳宏) 1. アート系 2. ポーズ 3. エロ顔 4. ザ・ヌード 5. ムーディー 6. ビューティー 7. モード 8. 水着 9. 薄幸 10. 和 11. 美女と楽器 12. カクテル 13. 夜 14. クリスマス 15. イラストレーション 16. 竹久夢二 17. ヘンテコ 18. シンメトリー 19. 表裏使い廻し 20. シリーズもの 21. ボックス・セット 22. ジャケ帯 インタビュー(山口‘Gucci’佳宏) 収録音源について 「お色気レコジャケ」なんて初耳、というかたもいらっしゃると思うので、とりあえず僕が書いた序文をお読みください。 雑誌の巻頭や書店の写真集コーナーを彩るセクシー・グラビアを眺めながら、ふと思う。どうして自分はこういうグラビアアイドルに惹かれないのだろう。 それはたぶん、「幸薄く見えない」からだ。見事な身体に、見事な顔。極小水着を食い込ませようが、縄で縛られようが、彼女たちはすべてのカットで自信にあふれ、鼻息荒くページをめくる男性読者を上から見下ろす。その行く手に、とりあえずこれから数年は立ちふさがるなにものもない(ように見える)グラビアアイドルたちに、不幸な陰はひとかけらもない。それが僕を萎えさせる。 1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。 よく知られた歌謡曲やスタンダード・ナンバーのインストルメンタル・バージョンをただただ並べ、ときとして曲と曲のあいだにセクシーなお姉さんの語り(ナレーション)を入れてアルバム全編をつないでいく、なんともユニークな形態のアルバムを、音楽ファンのどれほどが知るだろう。 いま「インストバンド」というと、「あらかじめ失われた恋人たち」のようなダブだったり、テクノやジャズだったり、意図的にボーカルを排したアーティスティックな音楽を指すわけだが、1960年代から70年代初期にかけては、そういうオリジナリティを追求する音楽とはまたちがうインスト・レコードが無数に作られていた。一時は日本中のレコード店に流通し、なかにはかなりの枚数を売り上げたアルバムもあったけれど、70年代後半ごろから急激に廃れていって、いまではまったく見かけなくなってしまった。 「夜のムードを高める」目的と書いたが、実はインスト・レコードが実際、昭和40年代の日本でどのように使用されたのかはよくわかっていない。インスト・レコードが出回っていた当時、僕は子供すぎたし、制作に携わっていた人々はすでにレコード会社にほとんど残っていない。真摯な音楽ファン向けではなかったろうから、それについて書かれた文献もない。音楽雑誌にすら取り上げられなかった、昭和の夜のBGM・・・・・・。 ジャケットの雰囲気や内容からして、「夜用」を主に意図されたのだろうが、いざというときになって、こんなヌード写真のアルバムを取り出してきたら、女は燃えるよりも萎えるのではないかという気もする。とはいえ曲自体はあくまでインストルメンタルであって、「官能小説朗読」とかではないので、オナニー用途にも向かなかったろう。 「意味不明」のレコード群は、そのつくりもまた、いい意味でも悪い意味でもユニークだった。まず、タイトルがてきとう。「ピンク」と「ムード」と「夜」と「誘惑」と「サックス」を組み合わせれば一丁上がり、みたいな。 そしてデザインがてきとう。曲の内容とまったく関連のない、単なる外人女性ヌード写真が全面にフィーチャーされ、なのに曲は純邦楽という、ねじれきったケースが大多数を占める。 そのヌード写真、お色気写真も表ジャケットと裏ジャケットで、同じ写真を反転して使用したり、それすらも面倒くさかったのか、そのまま2回使っているケースまである。現在ではとうてい考えられない、デザイナー絶句の荒業だ。 そしてまたタイトルの書きかたで、全編インストであるにもかかわらず、一見オリジナルの歌曲コレクションであるように錯覚させるジャケがある。よ~く見ると演奏者が表記されているが、中にはダブルジャケットの内側にしか表記がないものもあり、そうなると買ってみるまでわからない・・・・・・騙しですね、ほとんど。 そういう適当さがどくどく滲み出るお色気インスト・レコードだが、多くの場合、演奏者は一流、超一流のプロ・ミュージシャンが担当していた。ただ、こうした楽曲はレコード会社の買い切りが普通だったため、ひとつの演奏が何度も手を変え品を変え、というかバンド名を適当に変えたりして、くりかえし使用されているのも特徴だ。ミュージシャン本人も知らないままのレコードも、けっこうあるかもしれない。 しかも、そのようにインストの演奏であるにもかかわらず、ジャケットには全曲の歌詞が印刷されていることが珍しくない。これは「聴いてるうちに歌いたくなった人用」だろうか、カラオケ以前の時代のカラオケ代わりだったのだろうか。 知れば知るほど、謎が深まるばかりである。 こんなふうにてきとうにつくられ、てきとうに消費されて、だれも気にしないうちに消えていったのが、昭和40年代の日本に現れ消えたセクシーな徒花・お色気インスト・レコードだ。そうして、レア・グルーヴとして高値がつくこともなく、和物DJ諸君ですら見向きもしない、中古レコ屋のエサ箱でホコリをかぶったままの不良在庫を、ひたすら集め続けた男がいた。 レコード・コレクターの山口‘Gucci’佳宏氏による約850枚の日本人演奏もの「お色気ジャケ・インスト・レコード」コレクションを紹介する、これは本邦初の(そしてたぶん最後の)決定版電子書籍である。 いまから40年前、50年前だから、モデルの質だってグラビアアイドルとは比較にならない。現在なら全員「熟女枠」に入れられてしまいそうな、くたびれた身体が堂々と30センチ角のLPジャケットに収まっている。その写真とても、ほとんどはアルバムのために撮影されたのではなく、通信社あたりのストックからてきとうにえらんだものだったろう。 無邪気に微笑んだり、思わせぶりにからだを投げ出す彼女たちは、自分のセクシーな写真がはるか極東の島国で、『ウナ・セラ・ディ東京』や『人形の家』や『黒ネコのタンゴ』と一緒になっていることを知るよしもない。 てきとうな選曲と、てきとうなデザインと、てきとうな写真。そんなふうに消費されるけなげな熟女モデルの表情から、身体から、そしてジャケットから滲み出る「陰」の深みに、きみの官能はどうかきたてられるだろうか。 繰り返しになるが、これらのレコードはいまから40年前、50年前につくられたものである。そして、ここまでくればもうおわかりのように、この時代のほうが実は、現在よりずっと、レコジャケ・デザインは自由だった。 半世紀前とは比較にならないほどポピュラー・ミュージックの地位が向上し、比較にならない量の新譜が量産され、プロフェッショナルなグラフィック・デザイナーがジャケットを手がけ、大手レコード会社に頼らないインディーズも増えて、そうしていま、ヌード写真を使用したジャケットを見かけることはまずない。別にヌードだからいいというわけではないけれど、「オトナのお色気」を醸し出すジャケットすら、ほとんどない。 ほかの印刷物と同じように、レコードやCDでも過剰な性表現は取り締まりの対象になるが、音楽業界が特別厳しい規制のもとにある、なんてことはない。「放送禁止歌」と一緒で、すべて制作側の自主規制によるものだ。大手のレコード会社だけでなく、インディーズですら。 いま、音楽業界は「子供の音楽」によって生き延びている。エクザイルからAKBからビジュアル系まで。「何年も映画館に行ってない」ように、「何年もCD買ってない」オトナが、どれほどたくさんいることか。 オトナが買うからこそ、オトナの色気をアピールするジャケットがあったのだろうが、いまやオトナが買いたくなる音楽自体が減ってしまった。いや、あるのだけれど、メディアに乗らなくなってしまった。音楽業界では昔の音源の「リイッシュー」がブームで、それはたしかにオトナ向けだけど、何万円もするボックスセットを予約購入するような、マニアックなオトナ向けの商品でしかない。 かつてのように音楽が、そして音楽自体だけでなくレコード・ジャケットというものが、日々の生活空間のなかで存在感に輝く時代は、もう二度と来ないのだろう。あらゆるレコード・コレクション道のうちでも、最底辺の一角を占めるにちがいない「お色気インスト・レコード」という徒花。それは秘宝館やラブホテルやピンク映画ポスターと同じように、失ったことすら気がつかないままに僕らが失ってしまった、たからものでもある。「てきとうさ」という、オトナのフィロソフィでもある。 見ているだけで昭和のお色気にむせてしまうような2500枚以上の写真に加えて、 ・山口‘Gucci’佳宏氏による詳細な解説 ・当時日本コロムビアに所属し、演奏を担当したサックス奏者・稲垣次郎氏のインタビュー ・CDでは聴けない珠玉のサンプル音源5曲! 1. ナイチンゲール 「ECSTASY 恍惚/エクスタシー 川原正美とエキゾティック・サウンド 」より 2. ヘイ・ジュード 「ロックとラテンの激突 見砂直照と東京キューバン・ボーイズ & 稲垣次郎とソウル・メディア」より 3. 学園天国 「歌謡ヒット速報 稲垣次郎 ゴールデン・ポップ」より 4. ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー 「真夜中のレキント・ギター ベッドで煙草を吸わないで 木村好夫とザ・ビイアーズ」より 5. あなたが帰った鏡の前で 「愛しすぎて男を天国に行かせた女のお話」より 30センチ角のLPジャケットはスキャナーからはみ出してしまうので、1枚1枚、永遠に続くかと思われた複写作業を経てのデジタル・コレクション化。これ以上のアーカイブは、今後もありえないと断言できます(まあやろうというひともいないだろうが)! ほんの40~50年前に日本の音楽業界はこんなものを大量生産していて、いまはすっかりなかったことになってる!という、秘宝館やオールドスタイル・ラブホテルやキャバレーの踊り子たちとまったく同じ「忘れられた宝物」を、ぜひご覧ください。 ■全画像の中から特選ジャケット、600枚ほど選んで高速スライドショーにしてみました。1カット1秒で8分弱あります!(笑)年齢制限あり! https://www.dropbox.com/s/qceor9ii4eg4f0z/20190710_bedside-music.mp4?dl=0
MORE -
都築響一 presents 渋谷残酷劇場 【電子書籍/データDVD版】 ――ROADSIDE LIBRARY vol.005
¥1,650
都築響一 著 PDFフォーマット 全289ページ(833MB)+動画3本(1.65GB) DVDスロットに対応していない方へのダウンロードQRコード付き 都築響一 presents 渋谷残酷劇場 Kyoichi Tsuzuki presents "Shibuya Hell Garden" ATSUKOBAROUH Night Gallery 2018.04.14 Sat - 05.13 Sun 地獄に行きたい人間は、あまりいない。 なるべくイヤなこと、体験したくないことを何百年、何千年にわたって、何億人もが考え抜いた、究極のネガティブ・イメージ。それが地獄というものであるはずだ。 それなのに世の中には、死んでからしか行けないはずの地獄を、いますぐ味見してもらおうと、手間ヒマかけて再現してしまうひとたちがいる。 プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。ちからを合わせて造りあげた苦しみのヴィジョン。現世の片隅にひっそり毒花を咲かせる、そんな地獄のランドスケープに魅せられて、長いこと撮影行を続けてきた。これをアートと呼べるのかどうか、僕にはわからない。けれど世の中に「アート」という名前で流通している商品よりも、はるかにリアルな思いのカタマリがここにある。 [内容説明] 01. ハニベ巌窟院(石川県) 02. 伊豆極楽苑(静岡県) 03. 祖谷渓お山公園(徳島県) 04. 正観寺(徳島県) 05. 仙台武家屋敷人間教育館(宮城県) 06. 人間ポンプ安田里美 07. 見世物小屋絵看板 08. 彰化八卦山(彰化・台湾) 09. 麻豆代天府(麻豆・台湾) 10. タイの地獄庭園 11. ベジタリアン・フェスティバル 12. スイティエンパーク(ホーチミン・ベトナム) 13. セドレツ納骨堂(クトナホラ・チェコ) 14. カタコンベ(パレルモ・イタリア) 15. ロンドン・ダンジョン(ロンドン・イギリス) 16. ヨーク・ダンジョン(ヨーク・イギリス) 17. ブレイディング・ワックスワークス(ワイト島・イギリス) 18. ザ・ハンタリアン(グラスゴー・イギリス) 19. バルセロナ・ロウ人形館(バルセロナ・スペイン) 20. スピッツナー博士コレクション(パリ・フランス) 21. ミュゼ・フラゴナール(パリ・フランス) 22. ラ・スペーコラ(フィレンツェ・イタリア) 23. フィレンツェ大学病理学研究室(フィレンツェ・イタリア) 24. ナレントゥルム(ウィーン・オーストリア) 25. ヨゼフィーヌム(ウィーン・オーストリア) 26. 中世法制史博物館(ウィーン・オーストリア) 27. アレックス・ショウ(サンクトペテルブルク・ロシア) 28. クンストカメラ(サンクトペテルブルク・ロシア) 29. ペトロパヴロフスク要塞(サンクトペテルブルク・ロシア) ■動画1『日本編』 伊豆極楽苑、ハニベ巌窟院、人間教育館(from ROADSIDE JAPAN, BQ 2004~5 ディレクター:十川利春) 最後の見世物芸人・安田里美(鼻でハモニカ、金魚、眼力、碁石、火吹き @1990年2月21日 京都・アートスペース無門館) ■動画2『台湾編』 彰化八卦山、麻豆代天府 ■動画3『タイ編』 ワット・パーラックローイ、ナコーンラチャシマー 最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入っています。
MORE -
TOKYO STYLE 【電子書籍/USBメモリ版】――ROADSIDE LIBRARY vol.004
¥3,850
SOLD OUT
都築響一 著 PDFフォーマット 全812ページ(585MB) 『TOKYO STYLE』が最初の大判写真集として世に出たのが1993年。実際に撮影で東京都内を原チャリで走り回っていたのが1991年あたりだったから、今年はあれからちょうど25年、四半世紀。世界があれからますます不景気になり、不安定になって、貧富の格差が開いていることだけは確かだ。日本は前よりずいぶん暮らしにくくなったろうし、大災害にも襲われた。同時に多くのひとが前よりずいぶん消費欲にも、所有欲にも、勝ち組を目指そうという野心にも惑わされなくなってきた気がする。 オリジナルの大判写真集はもう古書店でしか手に入らないけれど(それも美本はまず見かけない)、文庫版はいまも絶版になることなく、ちくま文庫で販売中だ。それなのに電子書籍版を出させてもらったのは、ロードサイド・ライブラリーで試してきたPDFによる高解像度画像集というフォーマットに、僕の仕事では『TOKYO STYLE』ほどうまく適合するコンテンツはないと思ったから。ライブラリーを始めるときから、いつかはこれをやってみたいと考えていた、念願の一冊である。 これまでダウンロード版やUSB版で購入してくれたひとはおわかりかと思うし、この記事でもある程度は体験できるように、電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。もちろん電書版でページ数に制限はないから、書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい。なので前の3冊と同じく、812ページ、高圧縮技術を使用してなお600メガバイトに近いメガボリュームのデジタルリミックス版になっている。 ■高速全ページ・プレビュー! https://www.dropbox.com/s/te4e1vmnuzwz6t0/TABF1.mov?dl=0 https://www.dropbox.com/s/05yc7fpiqws5dlt/TABF2.mov?dl=0
MORE -
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち【電子書籍/USBメモリ版】――ROADSIDE LIBRARY vol.003
¥3,850
都築響一・編 協力:古家しょう子、寺井到(RKB毎日放送) PDFフォーマット 全1409ページ(2.0GB)+動画3本(300MB) 『秘宝館』『LOVE HOTEL』に続く電子書籍シリーズ「ROADSIDE LIBRARY」第3弾が、ついにリリース。題して『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』。そう、2017年2月8日号で特集、予想をはるかに上回る反響を呼んだ北九州市若松のグランドキャバレー・ベラミの歴史と、そのステージを飾った踊り子や芸人たちの写真コレクションである。記事でも200点近い宣伝用写真(ブロマイド)をお見せしたが、今回は発掘されたプリントすべて、数にして約1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載、前の2冊を超えて2ギガバイト!というメガ・ボリュームのダウンロード版およびUSB版デジタル写真集としてお届け! (かつては従業員寮だった)ベラミ山荘をFさんが買ったとき、家の中にはさまざまな生活用品から、かつての住人たちの個人的な手紙類まで、膨大な量の物品がそのまま残されていた。キャバレーの備品もたくさんあって、半分途方に暮れながら整理していたところ、写真アルバムや店のマッチといった備品に混じって段ボール箱があって、開けてみたら写真プリントがぎっしり詰め込まれていた。 それはキャバレーのステージを飾った歌手や踊り子、芸人たちの宣伝用写真(ブロマイド)だった。 ほとんどがモノクロームのその写真には、精一杯の笑みやお得意のポーズを決めた、タキシードから半裸まで衣装もさまざまな女たちや男たちがいた。安っぽいプリントから生バンドの音楽や、ホステスの香水や、カクテルやタバコの匂いがムワッと立ち上ってくるようだった。いまから50年も前のことなのに。 段ボールから出てきた写真は、数えてみると約1400枚にのぼった。その1枚ずつをスキャンし、裏に書かれた名前を写していく。それは1960年代の夜へと続くタイムトンネルだった。 写真に写っているのは9割方が女たちで、それは時にドレスや着物をまとっていても、ごく少数の歌手や漫才をのぞけば、演じるのが「ヌードダンス」だからである。なかには名前とともに「ピンクヌード」「外人ヌード」「日劇スター」といった特長(?)や、「キャンドルヌード」「夜光ラクガキショー」「金粉ショー」「トップレスシンガー」「コミカルポルノ」「スネークベッドショー」などなど、印象的なキャッチフレーズを冠したダンサーもいて、いったいどんなワザが舞台で繰り広げられていたのか、気になってしかたがない。 なのに彼女や彼たちのことは、数人の歌手以外には、ネットで検索したくらいではひとりもヒットしない。こんなにも無名の踊り子たちがいて、日本各地にあった無数のキャバレーで、音楽と男の視線と酒とタバコの匂いに夜ごと肌をさらし、スポットライトを浴びていたのかと思うと、そしてその記録がまったく残されないままキャバレーとともに消えていったのと思うと、胸が締めつけられるようでもある。ほんのわずかな年月のうちに、僕らはどれほどの記憶を失ってしまったのだろうか。 (序文より) ■高速全ページプレビュー! https://dropbox.com/s/uxgwztn4crepxpb/%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%BA.mp4?dl=0
MORE -
LOVE HOTEL【電子書籍/USBメモリ版】――ROADSIDE LIBRARY vol.002
¥3,850
都築響一 著 PDFフォーマット 全483ページ 1GB インテリア・デザインにおけるエロの極北、ラブホテル。セックスのためのホテルという空間は、なにも日本だけでなく世界各地に存在する。しかし円形の回転ベッドだとか、「パートナーがお風呂に入っているのを寝ながら見るための透明バスタブ」だとか、「いろんな使い方ができるブランコ」だとか、短時間の性行為のための場所という本来の目的から大きく逸脱した、ユニークとしか表現しようのない独自の空間へと変異している例は、世界広しといえども日本にしか存在しない。そしてもちろん我々は、要求される機能を完璧に満たすのがクラフトであり、要求を超えた無用無意味の領域に踏み込んでいくのがアートだという基本原理を、忘れてはならない。 新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。 円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある! ラブホテルを撮影した写真集はもともと Street Design File vol.17 の『Satellite of LOVE ラブホテル・消えゆく愛の空間学』 として、アスペクト社より2001年に刊行されました。そのあと2008年に少し小さな判型になって再版されましたが、それも長く版元品切れのまま・・・。なので今回、vol.1『秘宝館』と同じく、書籍版では掲載できなかったカットを大幅に増やし、しかもすべてのフィルムをスキャンし直した、デジタル・リマスター・バージョンです。 全73室でちょうど1ギガバイト! 『秘宝館』よりはやや少なめですが、それでも通常の電子書籍の数百倍! もちろんこちらもPDFで特別なアプリ不要、コピープロテクトもかけていません。どうかお好きなように、お好きなデバイスでご覧ください。 巻末に掲載していますが、いまから15年以上前の取材時のまま、インテリアが生き延びているラブホテルは、わずかに3~4軒。すでに閉店してしまったホテルも少なくありません。もはやこの電子書籍でしか味わえない珠玉のエロティック空間デザイン、483ページのボリュームでたっぷりお楽しみください。 そしてさらに! 今回は特別付録として、以前このメルマガでも紹介した「タイのラブホテル」も掲載。チェンライ、チェンマイ、バンコクの3都市から、日本式ラブホ・スタイルの南国式展開もご覧いただけます。こちらも他のメディアではなかなか見ることのできない、レア・アイテム。豪華スパリゾートなんかより、はるかに楽しそうです! (2016年10月05日) ■高速全ページ・プレビュー! https://www.dropbox.com/s/0eo800de32uudr5/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.mp4?dl=0
MORE -
秘宝館【電子書籍/USBメモリ版】――ROADSIDE LIBRARY vol.001
¥3,850
SOLD OUT
都築響一 著 PDFフォーマット 全777ページ 1.8GB 目次: イントロダクション『秘宝館の記憶』 北海道秘宝館 野生の王国・東北サファリパーク HIHOKAN 夢 伊香保 命と性ミュージアム 女神館 鬼怒川秘宝殿 熱海秘宝館 元祖国際秘宝館 元祖国際秘宝館鳥羽館・SF未来館 お山公園 別府秘宝館 嬉野武雄観光秘宝館 ROADSIDE LIBRARY 発刊にあたって 1993年頃から去年あたりまで、もう20年間以上も秘宝館の取材を続けてきて、これまでに撮影した秘宝館は北海道から九州嬉野まで11館になります。そのうち、いまも残っているのは熱海秘宝館と、伊香保女神館の2館にすぎません。 書籍としての写真集では、当然のことながら膨大なカットのうち、ほんの一部しか掲載できませんでしたが、今回は電子版ということで、これまで断腸の思いで落としていたカットも一挙収録。『秘宝館』は全777ページという、印刷ではとても望めないボリュームのデジタル写真集になりました。もちろんオールカラー。しかも! そのすべてのカットがかなりの拡大に耐えられるような、通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータなので、気になるディテールがあればクローズアップしてご覧いただけます。 秘宝館の取材に通ったのは1990年代が多く、つまりその多くはフィルムでの撮影でした。なので今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した、音楽でいえば「オリジナル音源からのリマスター」。すでにある書籍をデジタル・フォーマットに流し込む、通常の電子書籍とはまったく異なるプロセスで制作されています。 僕自身の単行本でも、最近は『ヒップホップの詩人たち』から『圏外編集者』まで、出版社ごとに電子書籍版が販売されるようになってきましたが、そのすべてはテキスト中心の書籍でした。ロードサイド・ライブラリーはあくまでも画像中心で、それも現在の電子書籍の常識をはるかに超える高解像度。なので必然的に一冊のデータサイズも巨大になっています。 いま、僕らが読んでいるふつうの電子書籍は、小説だと1.5MBかそこら、長い漫画でも100~200MBほどです。今回の『秘宝館』は777ページで約1.8GB! メガじゃなくてギガ! つまりふつうの電子書籍の百~千倍くらいのボリューム! (2016年07月13日) ■サンプルPDF http://www.roadsiders.com/_mailmagazine_data/20160713_UMNAcnuUUPkcE/RL001_hihokan_sample.pdf ■『秘宝館』全ページ、超高速プレビュー! https://www.dropbox.com/s/g2zvv1dqh3ccqsb/%E7%A7%98%E5%AE%9D%E9%A4%A8%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.mov?dl=0
MORE -
山阪佳彦『バス停と椅子』(YY BOOKS)
¥1,100
SOLD OUT
まちでよく見かける「バス停に誰かが勝手に置いた椅子」のミニ写真集。椅子の佇まいはもちろん、バス停に椅子を置いた誰かにも想いを馳せて欲しい。人の営みの素晴らしさがぎゅっと詰まった一冊。A6サイズ 72ページ ※現在、在庫切れです。直販ページでご注文ください! ↓↓↓↓↓ https://yy-books.stores.jp/items/65af781c1a112f01916d67c6 2018年だから4年近く前になる、風変わりなトークのお誘いをいただいた。場所は神戸のKITTO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)という、もと生糸検査場を改修したお洒落な施設(2017年にロバート・フランク写真展を紹介した場所でもある)。そのときは「WHY PURPLE?展~髪を紫に染めた貴婦人たちの世界~」という……謎すぎるタイトルの、ようするに街なかでよく見かける髪を紫色に染めた中高年女性たち。あれはなんで紫色なのか?という奇妙な研究発表。会場には美しく撮影された市井のパープル・マダムたちのポートレートがずらっと並んでいて、趣旨を知らないで迷い込んだらコンセプチュアルな現代美術展と間違えそうな空間になっていた。いったいそこでなにを話したのかはもう忘れてしまったけれど(なぜスナックの看板には紫が多いのか、みたいな話をしたのかも)、そんな意表を突いた展覧会を企画して僕に声をかけてくれたのが山阪佳彦さん。1961年生まれ、広告から自治体のブランディングまでを手がけるクリエイティブ・ディレクターだ。 その山阪さんは最近「バス停に置かれた椅子」がやけに気になっているそうで、目に付いた椅子を大量に撮影したコレクションを小さな写真集にまとめていた。さっそく入手・拝見してみると、めちゃくちゃ楽しい。ものすごく見慣れた風景なのに、まとまってみるとものすごく奇妙な空間にも思えてくる。商店街を歩いてる紫色の髪のおばちゃんみたいに……。 ひとりで楽しんでいるのはもったいないので、最近バス停椅子の増補改訂版写真集を完成させた山阪さんの著書がこれ。ぜひお買い求めください。 読んだあとはぜったい、自分のうちのそばのバス停(の椅子)も気になってしまうはず! (都築響一) ※現在、在庫切れです。直販ページでご注文ください! ↓↓↓↓↓ https://yy-books.stores.jp/items/65af781c1a112f01916d67c6
MORE